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先月、『カルラのリスト』(監督マルセル・シュプバッハ、06年、スイス)を東京写真美術館にて見てきた。現在、アップリンクXにて上映中。
~あらすじ~
旧ユーゴ国際刑事法廷(ICTY)の国連検察官で、厳重なボディーガードに守られたおばちゃんとして知られる「カルラ・デル・ポンテ」が戦争犯罪人を探しだし裁くため関係各国を必死になって奔走するドキュメンタリー。
いくら国連の偉い人と言っても、カルラには警察権がない。あくまでも関係各国が協力して戦争犯罪人を捕まえないと裁判が出来ないのだ。しかし、政治的な問題をはらんだ戦争犯罪人の引渡しには各国の思惑が存在する。犯罪人の居所を知っていても、わざと情報を渡さない国もある。そんな各国に対して、カルラは有りとあらゆる政治的なやりとりを駆使して各国に働きかける。しかし、そんな彼女の活躍においても犯罪人はなかなかつかまらない。タフな仕事振りを発揮するカルラだが、彼女に任期が迫る・・・
国連の高官といえども、孤立せざるを得ない状況に大きなショックを受けた。その原因は多くの国々の非協力な態度や、国際社会の無関心だ。カルラには味方が少ないのだ。消極的な態度は日本も例外ではない。国際社会は、戦争犯罪人を裁く場所を一括して国際刑事裁判所(ICC)を2002年に設立したが、日本は5年も加入が遅れた。なぜなら、中東での戦争を始めるため加入を撤回したアメリカへ、日本が遠慮したからだと言われている。ちなみに今作品の日本での上映は、やっとICCに日本が加入したのを機に決定したそうな。
さて今回、この映画、よくもまあ、こんなにカルラの近くで撮影が許されたものだなあと感心したが、これは想像するに、現場にできるだけ接近してリアルに撮りたいという撮影スタッフ側の映画屋根性と、現場を公開することで世界中に問題を知って共有してもらいたいというカルラ側の政治的な思惑が一致した結果だったのかもしれない。
何はともあれ、私はこの映画をきっかけにユーゴスラビアで起こった戦争についていろいろ知りたくなってきた。ちょうど良い時期に岩波ホールで今月から「サラエボの花」という映画が上映されるらしい。興味深いので観に行ってみようと思うのであった。
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