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Sさんへ

 投稿者:閲覧者  投稿日:2015年12月 7日(月)22時26分21秒
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  Sさんは、エスさんと同じかたでしょうか。貴重なコメントをありがとうございます。滝沢先生が、「イエス・キリストと言われる唯一の神、永遠の神」という表現を使っておられたのは意外であり残念な感じもします。私の中で滝沢神学が伝統的キリスト教神学と根本的に異なる点は、イエス・キリストを(実体論的に)「神」とは告白しないことだからです。滝沢先生がイエス・キリストにおいて第一義と第二義の不可逆的な区別を見出したというのはそういうことでしょう。だからこそ史的イエス主義の田川建三氏とも対話できたわけで、滝沢先生は伝統的キリスト教のようにイエス・キリストを実体論的に神格化していたわけではなく、従って滝沢先生が認められる「三位一体」も、正統的教義としてのそれとは意味内容が異なるはずです。私見では、滝沢神学は正統的キリスト教よりも異端とされたユニテリアンの方に近いと思っていますが、いかがでしょうか?滝沢神学がユニテリアン思想ではないというしるしはありますか?私は、イエスを実体論的な「神」とは認めない八木神学がユニテリアン思想のレベルを超えていることは承知しているのですが、ここではふれません。
それはともかく、「超人格」とは、比喩で「人格」的存在として語らざるを得ない「神」を、さらにそれ自体に近く表現した言葉だと感じました。「擬人化された神」と「人格神」との区別は、神学的素養がある者でさえ曖昧になりやすいと思います。その点、いみじくも八木誠一先生は、「場所論は神と人との関係の一つの相(アスペクト)の叙述であって、人格主義を否定するものではない(中略)神と人との関係は、人格主義的にも場所論的にも語られる。新約聖書がこのような二重の語り方をしている。(中略)神は人格主義的に、また場所論的に、語られる。神自身は場所でも人格でもない。結局のところこれらは比喩である」(『場所論としての宗教哲学』p6)と述べておられます。これはとても重要な指摘であると私は思っています。
ところで『一神教とは何か』(東大出版会)の中で加藤信朗という人物が、「『人格神』という言葉は・・・多くの人が分からないと言っています。なぜかというと・・・Personal Godというのは、Personified Godとどうしても日本人には受け取られてしまう。personified(人格化された)、つまり人みたいなものだと。ですから、Personal Godというヨーロッパ語で言えばまだいいのですが、それを『人格神』と日本語で訳しますと、もう全然分からなくなってしまうのです。」と述べていますが、たしかに私自身もそういう感じはあります。しかしこの加藤という人物は、アウグスティヌスの『告白録』の最初の、「主よ、あなたは偉大であり、いとも讃美すべき方であられます」という呼びかけが「人格神」への呼びかけだと言われる八木誠一先生の発言を、無礼にも「違います(笑)」と一蹴するのです(p25~26)。
しかしそこで八木先生は、「いやいや、私どもが神を人格神という場合、『人格』という言葉にとらわれないでください。人格という言葉から神を理解するのではなく、逆にアウグスティヌスが、"Magnus es,domine,et laudabilis ualde" と神に人間の言葉で語りかけている。そういう語りかけができる。このような仕方で語りかけられる相手を人格というのだと、逆のほうから考えていただきたいと思います。」と述べておられます(p27)。すなわち、Sさんが御指摘の「語りかけられる」存在が「超人格」であるということと同時に、人の側から「語りかけられる相手」が「人格神」であるというわけです。受動と能動の両方ですね。ここに所謂、我と汝との人格的な神と人との関係が示されます。
なお、「無自覚的な擬人化と、ある程度擬人化せざるを得ないことを自覚することとは、雲泥の差があります」とはその通りだと思います。言わば自己限定ですね。キリスト教神学は聖書という限定の中で、類比という制約された手段を用いてしか「神」について語ることができません。蛇足ですが、私は、この聖書啓示にもとづく神認識の「限定」の比喩として「キリストと共に十字架にはりつけにされている」という同時性があるように思います。以上、神学の「シ」の字も哲学の「テ」の字も知らないズブのド素人の閲覧者がよけいなことを長々と書きましてたいへん申し訳ありません。どうか御放念下さいまし。また、何か御教示を賜れるなら望外の幸です。
 
 
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